十界に思う
一、如来
二、菩薩
三、縁覚
四、声聞
五、天上
六、人間
七、修羅
八、畜生
九、餓鬼
十、地獄
天台宗の仏祖統紀にある十界をあらためて眺めてみた。
善玉界が一から四、悪玉界が五から十と言われているが、私達は一般的に六の人間界に生きている・・・というのは誤解である。
自我や欲望によって人々が殺し合う世界を修羅という。いかなる大義があろうとも戦争は人間同士の殺し合いであり、すなわち戦争は人間以下のすることと解釈できよう。
それでもまだ人間は悪玉である。
人から奪い取ったものに何の価値があるのか、奪い取ったものは奪われたほうよりも奪ったほうにずっと苦が付きまとうものだ。
善玉界に行くにつれ、身の回りはどんどんとシンプルになり、最後には何もなくなってしまうということを知っておくと良い。
だから、今あるものに感謝し、有り難みを噛み締め、心から大切にし、手から離れる時が来たら、そっと次の人へ渡してあげるような気持ちでいようと思う。
最期には自分の肉体も無くなるのだから。