僕が死ぬまでに書き残しておきたいこと

諸行無常、日々ふと思ったこと、後世に残しておきたいことを不定期に綴ります。

楽な道と茨の道

大峯千日回峰行という修行がある。いわゆる千日修行。1300年の歴史で、未だ2人しか成し遂げていないという、我々の想像を遥かに超える修行だ。

以前、四国八十八霊場1300kmを37日間で通し打ちしたことがあるが、千日修行は48000kmの山道を1000日間、しかもおにぎり2個と水500mlのみで毎日48km•••、無論、雨の日も、風の日も•••

この千日修行を成し遂げた僧侶の目に見えている世界は、おそらく今生きている人間の中で唯一無二の世界が広がっていることだろう。

もちろん、一流のスポーツ選手や修行を重ねた職人など、どの世界にも何かを成し遂げた先には、其々その人にしか見えない世界がある。

それらは簡単に比べられるものではないが、間違いなく言えることは、現状に流され、変化を恐れて、ただなんとなく日々を生きている人間とは、比べものにならない世界が見えているのである。

目の前に楽な道と茨の道があるとしたら、多くの人は楽な道を選ぶだろう。

茨の道を選び続けてきた先には未開の美しい草原が広がり、楽な道を選び続けた先には塵と屍の山が広がっているのかもしれない。

少しでもその草原に近付けるとしたら、日常にある選択肢の小さな茨のほうを選んで進み続けることだ。

この先、僕の人生もそう長くはないが、これからの日常の中で小さな茨を選び続けていこうと思っている。