僕が死ぬまでに書き残しておきたいこと

諸行無常、日々ふと思ったこと、後世に残しておきたいことを不定期に綴ります。

オートバイと南無阿弥陀仏

オートバイとは十代半ばに出会った。それからずっと僕の傍らにはオートバイがいる。

 
ただ我武者羅に走る時代を過ごし、社会に出て、大人という生き物になることとのギャップに戸惑い、オートバイに乗ることで、もう一人の本当の自分に会い、そしてまた大人の顔をして社会に戻る。
 
これまで、永くそれを繰り返してきた。
 
ヘルメットの中の孤独な空間は、もう一人の自分と会うにはちょうど良い。仲間と走る時も、一人で走る時も、ヘルメットの中ではいつも自分と会話をしている。

オートバイはいつも、鼓動と振動で僕らに応え、決して出しゃばらず、ただ人間の心との揺れ動きに合わせていてくれる。
 
それは仏教と通じる。
 
仏教とは、まず自分の内面を静かに見つめること。心を整え、全ての因縁を受け入れ、感謝すること。
 
人間が作り出した最もパフォーマンスの高い地上の乗り物。それ故、高い集中力と冷静な判断力を必要とする。
 
 
南無大師遍照金剛
 
 
どれでもいい、なんでもいい、静かに唱え、集中する。
 
波長が合ったとき、オートバイは自分と一体となって心のままに走ってゆく。そして、いつも感じていた大人というギャップを乗り越え、全てが一つになった感覚が全身を包んでゆく。
 
もしかしたら、オートバイと南無阿弥陀仏は、とても相性が良いものなのかもしれない。