僕が死ぬまでに書き残しておきたいこと

諸行無常、日々ふと思ったこと、後世に残しておきたいことを不定期に綴ります。

馬鹿なかしこ

僕が「ひろさちや」さんの名前を知ったのは24歳の時だ。

 

当時会社員だった僕は、ある取引先に行く度、その会社の壁に貼ってある一枚の新聞の切り抜きを繰り返し読み返していた。

 

以下にその内容を書き写してみた。

 

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~まんだら人生論~ ひろさちや

「馬鹿なかしこ」こそ理想の人物像である

 

友人に教わった話だが、女性には四つのタイプがるそうだ。

1.かしこいかしこ

2.かしこい馬鹿

3.馬鹿なかしこ

4.馬鹿な馬鹿

 

かしこいかしこは、なにかピリピリしていて付き合いにくい。馬鹿な馬鹿も困る。理想の女房は、3の馬鹿なかしこである。彼はそんなふうに言っていた。

 

私はこれは男性についても当てはまると思う。

女性にとっての理想の夫は、やはり馬鹿なかしこではなかろうか・・・。いや、友人として付き合うにも、馬鹿なかしこが一番いい。

 

仏教は「知恵の宗教」である。わたしたちに知恵を持て!・・・と教えている。知恵という観点から、人間の四つのタイプを考えてみたらどうなるか。

 

まず、かしこいかしこは、知恵はあるけれども、疑い深い人をいう。人間が信じられないのである。かわいそうな人だ。

 

かしこい馬鹿は、人に騙されまい騙されまいとしていながら、結局は騙されてしまうタイプである。もちろん、仏教のいう知恵を身に付けていない。

 

仏教からすれば、このタイプの人間が一番困るのだ。それよりは、4の馬鹿な馬鹿のほうがいい。底抜けに人が信じられるお人好しがこのタイプである。同じ馬鹿でも、こちらのほうが人間が上だ。

 

しかし、仏教においても、3の馬鹿なかしこが理想のようだ。底抜けに人が信じられて、しかもしっかりとした知恵を持った人だ。包容力のある人間が、この馬鹿なかしこである。

 

どうすれば、この馬鹿なかしこになれるか、よく知らない。でも、仏教の教えを信じていれば、きっとなれるはずだと私は信じている。

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これを読んだ24歳だった青年は、こうなりたいと思いながら、紆余曲折の二十数年を過ごし、まだまだ修行の半ば、今も変わらず、こうなりたいと心がけている。